企業と投資家の社会的責任。
世の中には最低な会社というものは多いものです。上場企業だって、ふたを開ければバカの固まりというのも多々あります。そんな中で、中小にどの程度期待して良いものかはかなり未知数でしょう。
それは置いておいて、自分の非を置いておいて、雇用者を攻めるこのような会社をどのように駆逐するべきか考えあぐねます。投資基準や融資基準に従業員に対する満足度や、社会的責任に関する項目が明確に入ってきても良い時期ではないでしょうか。
例えば今年三月にクラスター爆弾関連を製造等している企業に対して資金を投融資のまとめにより、世界的に機関投資家のスタンスに注目と批判が集まったことがあります。
こういったわかりやすい事例だけでなく、「従業員への待遇」という口裏合わせや反発などもあり得る事項を注目するのかは、時代の流れになるのは必然でしょう。
通常、これらのものを推し量るすべというものは、確立するのも、試行錯誤するのも難しいかも知れません。本則的に行っては、企業にしても従業員にしても、投資家・金融機関にしてもコストに合うことではないでしょう。
効率よくビジネスをすすめ、従業員のモチベーションを高める施策という観点で見ると、本則的に測ろうとする試行錯誤などもなく、一定の改善と努力で推し量る方法というものがあります。
それが、企業改革法対策・・・つまるところのJ-SOX対応というものです。J-SOX・・・、とかく内部統制が話題になりますが、「内部統制」というものは別にコンピュータを使ってどうのとか、規範を作り遵守する・・・というシステマテックなことだけで進められるものではありません。昔と違い、人材の流動化がすすみ、一定のマニュアル化による業務の遂行と数値評価が必然となりました。そこには当然ながら、一定の品質確保というものが要求されるわけですし、人材の固定化はノウハウの固定化、下手するとチェック機能の低下などもあり、一長一短であります。
だからといって、従業員に対し、プロセスのお仕着せでは、士気が向上するものではありません。現場レベルでの「(倫理観向上を含む)ロイヤリティ向上」につながる施策も、「内部統制」を円滑に且つ確実に実行する重要なファクターとなります。
簡易的になりますが、内部統制にかかる従業員の役割と、その関与度・寄与度、そして意見を吸い上げ実行し、評価する仕組みが存在し、それが有機的に機能しているかを判断することで、その判断に代用できるものと考えます。
社会的責任といっても、企業市民としての役割だけでなく、従業員への役割も重要であるということです。その従業員には家族があり、そのつきあいがあり、生活があり、消費があり、マンパワーとマネーが循環する仕組みになっているわけです。このあたりは、従業員運動会を開催している企業を見るとわかりますが、その参加者とステークホルダーが合ってこその企業と、経営者は実感するそうです(某氏談話)。
実際に起業しようとすると、自分一人だけでの力というものは限られますから、ステークホルダーやパートナー企業だけでなく、雇用という課題に直面することでしょう。
そこには、人事・労務、実務、管理監督といったことだけでなく、企業の社会的責任の意味も強く意識している企業が、いま従業員のロイヤリティが高い企業となっているのでしょう。