いろいろと難しいコムスン問題(介護編)。
だめ狼%まだ殺されていない・・・です。とりあえず、求人情報誌でも買ってきましょうか・・・(汗)。
さて、本題。コムスン問題といわれる介護報酬不正受給問題が取り上げられ、陰に隠れていても多くの人に関係している「消えた年金問題(まさに「払えないから無かったことにしちゃおうか」問題)」といろいろと大変なことが起きています。
この間、だめ狼はコンプライアンスや介護事業などについてちょっと調べたりしていました(でも進行形)。そんな中「切込隊長BLOG(ブログ): 毎日新聞がコムスン問題について正しいことを書いている件」が取り上げられ、「発信箱:コムスン問題の黒幕 中村秀明(経済部)-今日の話題:MSN毎日インタラクティブ」を見ることになりました。
その他参考リンク(再掲あり)
2006年の報酬の引き下げについては、おそらく関係者以外にはなじみが薄いかも知れませんが、これにより事業者の採算性だけではなく、利用者の生活水準にも影響が出ているわけです。介護設備のレンタルをしていたものが、制度変更により対象からはずれたために利用できなくなった利用者の方も大勢いますが、その煽りを受けて一斉に返還された業者も大変です。さまに死蔵在庫の山。自立支援は望ましいが、自立支援法が妥当かどうかは別の話です。
そして介護事業者が利益を上げられない仕組みとして在宅看護の場合ケアマネージャがプランを立てるが「1ヶ月39件以上(包括支援センターから委託された介護予防支援を含む)担当できない」という制約。これはどういう事か自明ですね。
介護事業が利益を上げてはいけない、または利益を上げられない仕組みを撤回する必要があります。
「市場へ資金が流れるのは良いことだが、もうけてはいけない」なんて法律が出来たらどうしますか? 「副業での先物および株式投資等により得る売買利益は年収により制限し、超過分は国庫に納めなければ行けない」とかルールができたらどうします? 同じような(というよりもおかしな)制約のある介護事業。
コムスンは立ち上げに300億を(グッドウィルグループが)市場より資金調達しています。そして、広告費に50億使用しています。しかし、事業での赤字は介護保険制度開始前までに200億はあるはずです(この時期の赤字額が250億円)。折口曰く、新しいことをするためには新しく市場から資金を集めて行い、本業の(成長の)資金は犠牲にしないと言い切っています。
介護なんてやったことのある人しか、その苦労や心労、経済的負担などわからないことだらけなのに、それがわかっていない人間が行政を行っているのも問題でしょう。夜もおちおち寝ていられません。様態も気になります。でも自分の疲れもあります。買い物やお役所にも行かないと行けません。
介護事業が儲からないわけではありません。よそ様も書いてありますが、どこも施設介護は収益の柱になっています。私も一度24時間病院付属の施設介護施設(介護施設といっても立派なマンションみたいな所でしたが)におじゃましたことがあります。そこでは、理事長と常務クラスの方とお話しすることがあり、世界の情勢と国内の動向などについてお話を聞くことが出来ました(仕事で行ったんですけどねぇ)。そして、介護ビジネスについても当然ながら伺うことも出来ました(こっちが本業。コンサル提案をしないといけないので)。たしかそこは入所に数千万~一億程度と言うところでしたから、発展性もビジネス性もありましたが、それ以外の所はかなり厳しいでしょう。昔知人に介護事業に携わっていたか違いましたが、「理事長が夜勤の食事を減らせ」と言い出した・・・といっていました。現実問題、立ちゆかないところがあるのが一般的でしょう。介護現場の方の待遇面での苦労は多方面から伺っていますから・・・。
さて、コムスンの先行きを楽観しているのは投資家と関係のない人たちでしょう。実際、収益を圧迫するユニバーサルサービスと24時間看護をやっていたのはコムスンくらいで、これが無くなったら特に地方はどうするべきか真剣に考える必要があります。
サービスが粗悪とかいっても、事業者を替えればすむ話ですからよいのですが、24時間看護にたよっていたのに、新しいところはしてくれない・・・となった場合、下手すると死活問題(本当に「死」)になってきます。
介護といっても、病院医療との組み合わせにもなるケースが多々あるでしょう。医療制度改革により、病院経営も経営の専門性が要求されるようになっています。医師は医療、経営はその専門家へという流れです。今までは医師が医療と経営をやっている場合もあり、決算書の内容が微妙というのもありました(帳簿上は減価償却していないから黒字というウソのような本当の話もあります)。そこには、規模の原理と専門性と医療技術等により経営を考えていく現実があります。急性期医療と慢性期医療により報酬が変わり、初診の報酬も特定の場合、救急車搬送・小児急性期・紹介状有りを除いて減額という制度もります。一部病院で紹介状がない場合に、別途お金を取られるのはこの所為です。そして、病床が何日であいたかも診療報酬に影響があり、一部病院では心臓外科手術でも退院は10日未満と言われました、正直凄いと思いました(この辺の話は大規模病院の部長級医師から聴きました)。
当然ながら、医師が聖職者だろうがなんだろうが、慈善事業しているボランティアなワケではないので利益は必要で、利益でなければ人を雇えないし、給料も払えない、医療技術の向上も出来ないし、税金も払えません。そのための経営努力は必要だし、しなければならないが、経営努力をしようにも「1ヶ月39件以上(包括支援センターから委託された介護予防支援を含む)担当できない」とかあったら、致命傷。
訪問介護だけで生活が出来るなんて考えられません。アイドルがコンサート(ライブ)だけで生活できるのか? 音楽会社(古い言い方だと「レコード会社」か。レコードなんて見かけないのに)コンサートはプロモーション活動であり、メディア(CD等)の売り上げのためといっています。コンサートは設備費用と機材費用、そして移動コストとチケット等の事務コスト、プロモーション費用、警備費用など多くの費用がかかるが、収益の上限は決まっています。箱(コンサートホール)の収容人数が売り上げの上限です。あとは、場内で売るグッズの売り上げしかない。まったくこの仕組みと同じ。だから、収益の上がる施設介護(=メディア)も必要なり、それがないと立ちゆかないのが現状でしょう。
コムスンのやったことはいけないことです。この罪はちゃんと償う必要があります(子どもにもわかりやすく言うと「みんなにゴメンしよう?」だ)。だか、その背景にある介護に関する問題や、制度の問題、法律の問題(指定取り消しが出来ない)をみんなで考える必要があると思うのです。
(国の)お金がないから、報酬を引き下げるというのも正論のように聞こえるが、本当にないのか問いただしたいし、無駄を省けば沢山でてそう。例えばアベ首相夫婦が電球を交換する政府公報なんて、自分勝手な利用に他ならず、その費用は推計で10億と言われています。地球温暖化防止関連予算(チーム-6の予算)が40億となっているのに。はっきり言って、コムスンより悪質。これで予算がないなんていうのなら、そんな官僚は辞めてしまえと。そもそも、会計監査院がデバって文句いってほしいほどだ(民間が監査要求出せないのか?)。
結局財源移譲したところで、地方の自治体が介護サービスを提供するなんて夢の中の話で終わるでしょう。タダでさえ赤字。これからも赤字。財源維持されても、住人がいないし、所得のある人が少ないから、むしろ交付税があった方が特という構図もみえます。
今後、介護におけるQoL(Quality Of Life)は本当に身近にならないと理解されないのだと思います。QoLを護るのは自分自身ですし、それを得るためには提供者が正当な報酬をえる事が出来てこそでしょう。自分が介護を受ける立場になった時に、後悔してもおそいでしょう。自分は大丈夫だと思っていてもいつかは死ぬわけですから・・・。
攻殻機動隊S.A.C Solid State Society
物語は2nd GIGより素子の去った2年後、新人20名を増強した新生公安9課。降りかかる事件を、リーダーとなったトグサを筆頭に取り組んでいた。拡大基調の9課の理由を説明する荒巻課長の思慮、それぞれの思い・・・。
100分という中で、現実の問題と切っても切り離せないような「高齢化」「少子化」「虐待」といったキーを取り込んだ中身はさすが。