円高と株式相場。
外国人投資家も日本株を売買しており、その影響も無視できないようになりましたし、有価証券取引法や企業会計などにより、外国からの資本の導入や本邦企業の外資買収などの下地が出来てきました。
外国人投資家が株や円を持つということはそれなりの影響力が出ると言うこと。影響力が出ると言うことは、それだけで市場が混乱することもあると言うことになります。
さて、1ドル122円で18000円の株を買うのと、1ドル112円で16500円の株を買う場合、どっちが得だと思いますか?
18000/122=147.54ドル
16500/112=147.32ドル
となります。差が22¢だけです。
今の流れに合わせて考えてみましょう。ドル122円で16500円の株を買うのと、1ドル112円で18000円の株を売る場合はどうなるのか。ついこの間までこんな感じでしたよね? 計算しやすい金額にしていますけど。
16500/122=135.25ドル支払い
18000/112=160.71ドル受け取り
その差34.54ドルの運用益となっています。
18日の日経新聞をふと読むことがあったのですが「換金売りを急ぐ欧米のヘッジファンドにとって、むしろ円高局面は格好の売り場となり・・・」とありました。このことだったんですね。
「円安の時に日本株を買い、円高の時に売る」とその利益をしっかり得ることが出来るというわけです。このケースの場合の株の値上がりによる利益は9%、為替差益による利益は同じく9%。結果の売買益は19%の利益です(小数点以下は四捨五入)。
てことで、109%*109%=119% となります。
ドルエンのレートを固定した場合、株式の値上がり益が利益の上限となります。また、株価を固定してドルエンのレートを変更した場合、為替差益が利益の上限となります。逆に、両方を動かすと、値上がり益と為替差益のピークがもっとも外国人投資家の利益を最大とする場所になり、その逆がもっとも損失を最大にする場所となります。
これを考えると、株式市場と為替市場は外債の償還や利払いもですが、外国人投資家の売買による資金の流れが、各市場に影響を与えることとなっているそうで・・・。
今回、おおきく動いたのも背景としてこのようなことが合ったのでしょうか。クロス円のチャートを見ると大体似たような動きをしていることと、比例しているように日経平均も続落しています。
だめ狼は株を取引していないので解りませんが、日経平均がたかだか3000円下がったくらいで(個人投資家に)どの程度のインパクトがあるのか解りません。信用取引でレバかけまくっていたらかなりヤバイですけど・・・。で、
18000/124=145.16ドル支払い
16000/112=142.86ドル受け取り
と、暴落しても2.3ドルの損失になります。1.6%の損失。他にも、保有中のスワップの金利負担分が出てくるのでそれを加味した額になります。こう考えると、外国人投資家が日経平均に連動して暴落の場面でも大した損失を被っていないと考えることが出来ます。そう、ただ遊ばれているだけ>個人投資家w。
ここで「あれ?」とおもっちゃうのは、ドル売り円買い・・・ロングポジションだと、受け取りスワップで、1000通貨当たり一日13円入ってきます。50日だと、650円。145ドルだと94.25円。つまり損失はもっと低くなる・・・ということ。
一番気にかかるのは今回の暴落の引き金を誰が引いたのか、もうちょっと考えてみたいと思います。