政治と経済。(第6翼)
税と経済については前稿でふれましたが、流動的に変化をもたらす値があります。
それが、一般にいう政策金利。
インフレを抑えたり、過剰に加熱したマーケットをさましたり、暖めたりと使い方いろいろのアイテムです。
2007年から2008年にかけての本邦不況の原因の一つが政策金利の上げるタイミングの悪さだったと思います。日銀は認めていませんが。
上げるならとっとと上げておけば、この一月などで余裕で下げることができたわけですが、それすら出来ない現状では、下手なプライドを日銀が捨てるまでどうしようも出来なくなってしまいました。
今までのゼロ金利がよいとはいいませんが、キャリーが進みすぎる前に、またサブプライムモーゲージローン問題がでる7月までに上げておけばよかったのでしょう、結果論としては。個人的には上昇慎重派でした。
当時の利上げ圧力というのは景気の下支えという点よりも、大手企業の金余り状態を反映させたものに見えていましたし、その考えは現在も同じです。
それはさておき、現在の混乱期における金利政策は対処療法としても継続処方としても一定の効果はあるでしょう。但し、混乱している相場においては・・・です。
日本市場のように混乱していない場合は期待できませんが、米国市場においては、その効果が期待できます。サブプライムモーゲージローン問題が波及しているのは住宅金融市場に関わることで、短期で下げ短気であがってきたために、より問題が深刻化しているわけですが、住宅金融市場を安定・活性させるためには低金利である必要なわけです。
一方国内では、微妙なタイミングで上げてしまったために、サブプライムモーゲージローン問題とキャリーに巻き込まれた感があり、混乱しているわけでなく安定して「悪い」状況になっています。このときの対応は金利だけでは影響がありませんし、日本の利下げは外国から大して評価されていません(笑)。
さて、日本の政策金利は銀行の金利自由化によって原則として公定歩合と連動せずに設定が出来るようになっています。が、実際は連動しているように思えますが・・・。
ここにきて、金利が下がるとうれしいのは、中小企業というよりも、政府や大会社かもしれません。儲かっている大会社にとってはいい迷惑でしょうが、この不況のインパクトが大きくなるにつれ、そんなことをいっていられなくなります。
たとえば、ソフトバンク。ソフトバンクは、ボーダフォンを買収するときに1兆円以上の借り入れを実行しています。1兆円の0.25%の一年間の利息は単純にかけ算をするだけです。金利連動方式なのか固定金利なのかは知りませんけど・・・。
あと、日本道路公団・・・というよりも「日本高速道路保有・債務返済機構」や国債を発行する政府(国債金利の低下が期待される)あたりが一番の利益を享受しそうです。
基本的には、経済安定と消費刺激に関して適切にとられるべき政策金利が、国内においては日銀のメンツや権利を示すために行われている感があるのが残念で仕方がありません。
他方、ECBなどにおいてもその傾向がないとはいいませんが、米国経済をみているとグリーンスパン前FRB議長の英断と残した影響(サブプライムモーゲージローン問題の温床を作ったといわれる)と、現在の政策金利の下げ方は(ヘタレ)日本ではとうていまねが出来ないことでしょう。