政治と経済。(第7翼)
以前にもふれたことがありますが、国内は少子高齢化に伴う労働人口減少と国力低下をいかに対策するかが重要な課題となっています。
そうした中で、商法改正に伴い改正会社法が施行されました。特別法による確認会社の要件がなくなり、株式会社も1円から設立できるようになった反面、その他の会社組織は株式会社に一本化されました。これは、現状に即する点と、起業をしやすくするという点に寄与します。
この背景には、高齢化による廃業数の増加があります。廃業が進むと、当然ながら産業が衰えます。産業が衰えると、雇用が維持できなくなり、消費が衰退し、税収も上がらないという負のスパイラルに陥ります。当然指標的には、消費動向関連指数、失業率の上昇、産業関連指数の悪化などが目立ってきますし、財政的には減収と失業手当等の増加と、とんでもない状態になります。
当然ながら、起業促進や産業を育成するためには、必要な優遇措置等も出てくることは否定しません。というか、望ましいといえます。
例を挙げるなら、英国の金融ビックバン。これによって英国は金融産業を国の柱に育てることが出来ました(今はそれで苦労していますが・・・)。日本でも、かつての半導体・電子産業や自動車産業がそれにあたります。
とりわけ日本では、起業家を育成するという以前に、引きこもりやニートという、現代病の最先端の患者をどうするかという問題も同時に解決する必要があります。これらに罹っているのは労働力として期待できる若者やの稼いで納税や消費を牽引してもらいたい世代だからでもあります。
産業構造的に、現在の若者の立場は弱くなっているのも背景としてあるでしょう。雇用環境が変化し、派遣社員(自動車産業などは最たる例)などへのシフトにより、雇用や収入が安定しなかったりと、お世辞にもよい環境とはいえません。それとは逆に、ハイレベルな仕事で収益を上げている若者もいるのも事実です。
さて、国力を維持するための産業が必要であり、それを育成するのも急務ですが、減少する労働人口を以下に補うかも重要な課題です。すでに一部産業では重要なプロセスまでも東南アジアからの出稼ぎ労働者が担うまでになっています。
現場としてどうするべきか、国としてどういう方針を打ち出すべきかをもっとよく考えて取り組まないと、団塊の世代の大量退職どころの問題ではなく、”日本の企業”の根本的な DNA の問題になってきます。
いずれにしろ、外国の人々の力に頼るならば、就労ビザの発給等を含めて必要な措置が執られるべきですし、ノウハウの流出対策というのも今まで以上に真剣に取り組んでいく必要があると思います。