日本のIT(SI)会社の行方。第7翼

 何が問題なのか分からない・・・。そういう世界になっていくような気がするのもこの業界だけではないでしょう。
・受発注価格の問題
・人材育成の問題
・利用者の問題
 など折に触れて取り上げてきました。昨今、ITにおけるトラブルは大きく社会的影響を及ぼすまでになりました。インフラとしての価値が認められたと言えますが、それ相応にリスクの管理と利用者対策を行っていく必要があるわけです。
 リスクの管理といっても、「何を」「どう」管理するのかは大変重要な事になります。一般的には開発の遅延と障害発生対策・ビジネスコンティニテュプログラムといった内容になります。株やFX、金融商品をあつかっているここの読者層からいうと「リスク」のコントロールは周知と思いますが、その常識とそれらの常識には大きく乖離があるわけです。どちらかが良いというわけでもなく、両方必要というのがだめ狼の持論です。そして、それらを適宜組み合わせて必要なリスク管理を作らなければ進むものも進まないと思います。
 とかくリスクはだれも取りたがりません。将来のことに大して確実性を要求するという不思議な世界です。当然作ったものはそれなりに動く必要はありますがw。ある意味、「間違って動くことを想定せずにいる」のが問題とも言えます。「間違って動作する」可能性をコントロールするには、「間違ったぽい動作」を検出してそれらを是正したり、安全に停止する必要があるわけです。これらをフェイルセーフとフェイルソフトという信頼性工学上の考え方です。クリティカルな面においては常識ですが、さほどでもない分野については知らないひともいるようです。
 ちょいと間違えただけでは安全に影響を及ぼさず動かし続けるか、安全に停止できる必要があるわけです。プログラマが行うロジックのエラー処理とは別の世界で必要です。プログラムを監視するプログラムとか。結局はエラー処理なんですが、まぁ・・・。システムを作る上でこのエラー処理は非常に重要でありながら、非常にめんどくさく、またコストがかかる部分でもあります。こういった認識を開発者と利用者(発注者)が共有することが出来なければいけないでしょう。
 とはいえ、これを徹底するとどうなるかという等比級数的にコストが増えます。コストといっても時間とお金、知識などを含めたものです。これらを理論的にかつ確実にする人的およびシステム構成と教育、試験開発コストなど馬鹿になりません。精度を一つあげるとコストが10倍になるといったものと変わらないわけです。
 ノウハウを上手く取り入れて、コストを管理することになります。それは、テスト項目やバグ検出個数での信頼性の管理です。あとは設計(アーキテクト)と利用者の現場のチェックノウハウを融合することです。これはソフトの安全性とロジックのエラー検出や訂正について役にたつでしょう。既存の使える部品は使うというのも同じ考え方です。
 昨今は多くのソフトウエア部品から成り立っています。オペレーティングソフトから、ネットワークのミドルウエア、データベース、トランザクションモニタなどありそれらにも当然ながらバグがあります。それらをどう考え対処していくかもリスク管理としては必要ですが、これを割り切るの管理するのかでも当然差が出てきます。利用者からしてみれば「開発者が面倒見てくれるよね?」ちっくな感じですが、作っている方からすると「やってられない」わけです。


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