公共事業への民間資金活用。
数年前から公共事業に民間の資金を活用する事例が増えてきました。財政投融資などより金利が安く調達できたり、民間の事業ノウハウを取り組むことでオペレーションコストをさげたりするケースが見られます(PFI:民間資金を活用した社会資本整備)。
実際に活用する自治体などの公共団体とそれに対して融資する金融機関双方にノウハウがなければこのような仕組みは上手く働きません。実はこのような事業にも先行者利益という仕組みは存在します。別のケースですが、他の金融機関に対して真っ先に取り組んだ分野というのは事項にとって非常に大きな強みとなり、そのノウハウを元に教育やコンサルティング、セミナーといった部分で大きく成長・利益を生み出すことが可能となり、実際にそれらを行っている金融機関が存在します。どのように展開するのかといえば、金融機関・・・といっても、主に銀行ですが、「きんざい」ときけば、ここをご覧の方なら、どんなに鈍い方でもだいたい察しはつくでしょう。
さて、案外、機関投資家以外の資金も公共事業を投資対象として運用する時代が目前になっているかも知れません。
[記事]道路や港湾もREITの投資対象に、三菱商事UBSリアルティの広本社長が語る|ケンプラッツ
資産運用会社である三菱商事UBSリアルティは2007年3月、不動産投資信託(REIT)を使って、民間の資金を自治体に向ける「産業ファンド投資法人」を設立しました。REITの投資先をインフラ施設なども対象と考えているようです。
PFIとREITの違いといえば、平たく言うと、金とノウハウを出して運営するのがPFI、金を出して運営(経営)までしないのがREITというわけです。
公共事業とひとくくりにいっても、へんぴなど田舎の道路整備と首都高の整備とでは雲泥の差があるわけで、当然投資利益というのも出てくるのは当然でしょう。去年、「 [高速道路機構]ほぼ全線で黒字 by だめ狼」では、「結構儲かってるじゃないか?投資対象としても良さそうだ」と指摘しましたが、考えることはみんないっしょ・・・なのでしょう。
公共事業といっても、超大規模でなければ数百億円程度からでいいわけですから、長い間利益が出るなら、直近多少の損失が出てもリスクとして軽微であると考えられます。年金の運用に日々の株価の上昇・下落なんてナンセンスですよね。
民間活力(資金等)を活用するのは、大都市圏または、利益の上がる分野になるのは予想に難くないでしょう。本来ユニバーサルサービスであろう公共の福祉をどのように確保していくのか、投資家・企業の社会的責任とどのようにしていくのかも、新しい時代の課題となっていきそうです。