政治と経済。(第4翼)
最近の税制や税務政策は消費者を向いているのではなく、大企業や超お金持ちを向いているような政策に変わっています。
直接税を下げて、間接税を上げるというのはその最たるものでしょう。
法人税や累進課税の所得税をさげて、消費税などを上げるのはいささか納得がいかないものです。法人税や所得税を下げるのなら、他の税率を上げるなといいたいところです。
さて、直接税の恒久減税には慎重な立場ですが、間接税(消費税を除く)や目的税の税率変更については積極的です。特に酒税やたばこ税などを上げる分には全然文句はありません。まさに、受益者負担だからです。昨今脱税が話題の外国為替証拠金取引に関しての対策も当然の措置だと思いますし、むしろ遅すぎます。脱税については遡及して徴収することが可能ですから、業者に対しても高収益を上げている顧客の情報を提出させるくらいのことを国税はやってほしいところです。
国策として、広くあまねく、とれるところから、受益者負担で税金は取るべきところを、身の丈に合わない政治を行い、国債の乱発をし、世論や選挙しかみない議論程度で税制改革を左右されていること自体、この国の問題となっています。
税額をあがったり下がったりで消費の影響がどうのこうのといいますが、数千円程度の上がり下がりで影響が出ているのなら、すでにこの国の公定歩合は 4% 以上になっていてしかるべきにもかかわらず、それが実現できていないのは、小手先の税制改革や経済政策だけでは意味をなさないと現実が示しているのではないでしょうか。
会計処理等は国際コンバージェンスの中で、国際基準に準拠するようになりつつありますが(減価償却や工事進行基準の原則適用など)、それにみあう税制も考えていただきたいものです。
税を下げれば、消費行動が促進される、税を上げれば抑制圧力が働くという点においては異を唱えるつもりはありませんし、効果はあると思いますが、大火事にバケツいっぱいの水をかけるような対処で火が収まらないのと同じで、経済状況によって政策をとるのであればそれにみあうだけのことをすべきです。
そういえば、相続税や贈与税について文句を言う人はあまり聞きません。個人的には全く縁がないからかもしれませんが・・・。まぁ、いいんですけどね・・・。
次稿では「2008年税制改正」にいて予定しています。